言うまでもなくヤマハは、バイクを設計・製造しているメーカーである
だがバイクに限らず、モノを造りさえすれば売れるという時代はとうの昔に終わった
モノの正しい使い方やワクワクする遊び方、つまり「コト」を伝えることで
より長く、モノと付き合ってほしい──。ヤマハライディングアカデミーはその象徴だ
問い合わせ
YRA 事務局
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yra/otona/
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飽くなきこだわりの秘密を探る!ヤマハのコト創り
言うまでもなくヤマハは、バイクを設計・製造しているメーカーである
だがバイクに限らず、モノを造りさえすれば売れるという時代はとうの昔に終わった
モノの正しい使い方やワクワクする遊び方、つまり「コト」を伝えることで
より長く、モノと付き合ってほしい──。ヤマハライディングアカデミーはその象徴だ
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ヤマハ創業者の川上源一は、「自らの手で需要を創造する」という考え方の持ち主だった。ビジネスの観点から言えば、「バイクを造って売るために、乗る人を増やそう」ということだ。YRAも需要を掘り起こす活動の一環、と捉えることもできるだろう。
だが、YRAからは「ヤマハのバイクを買ってください」という香りは一切しない。いわゆる販促活動にはとうてい見えないのだ。
インストラクターの方たちが発する言葉、そして参加者の皆さんに向ける眼差しからは、「バイク仲間になりませんか?」という柔らかな誘いのムードだけを感じる。
ヤマハ発動機の安間仁保さんは「お客さまには、バイクを好きになっていただきたいですからね」と微笑む。だから、参加者と直接触れ合うインストラクターの育成にはかなり力を入れている。「インストラクターとして高いライディングスキルを有していることはもちろんですが、それ以上に大事なのは常にお客様視点の思考を磨くことだと考えています。『自分ができることはお客さまにもできるはず』と思い込みがちですが、そういうレッスンは強要するばかりでつまらなくなります。
ヤマハ発動機CS本部企画推進部
企画第2グループ 主務
安間仁保さん
営業、カナダ駐在、サービスなどを経て、普及活動に取り組む現在の仕事に。「お客さまからの反応がダイレクトに伝わってくるのが魅力。安全に楽しんでいただきたい、という思いがすべての原動力です」
私たちの狙いは、バイクに乗り続けていただくこと。そのためにインストラクターに求めているのは、お客さまひとりひとりをしっかり観察し、その方に合ったアドバイスをして楽しんでいただくことなんです」
「教える」と大上段に構えるのではなく、「仲間」としてバイクワールドへ迎え入れようというのだ。「もちろん、あわよくばヤマハのバイクに乗っていただきたいですけどね」と安間さんは笑う。けれど、ガツガツと販売に前のめりになった雰囲気は皆無だ。だから、YRAの空気は心地好いのだ。
宮本さんも「ちょっとおせっかいなのかもしれませんけどね」と笑う。
「でも今の時代、それぐらいやった方がいいという感触があります。情報があふれている分、迷いも大きいように感じるんです。メーカーであるヤマハという看板のもと正しいライディングをお伝えすることは、参加者の方たちを伝道者にすることでもあります。少しずつでもいいから、皆さんの間でバイクの輪が広がれば」
さて、「YRA大人のバイクレッスン」の真骨頂は、午後のツーリングである。予定表を見て目を疑った。「往復約20㎞のコース」と記されていたのだ。200㎞の見間違いではないかと何度も目をこすったが、大マジメに往復20㎞、片道10㎞なのだ。
短い……と感じたあなたは、すでにバイク乗りとしてのハードルをいくつも越えている。そしてバイク業界は、主にそういう人たちを相手にしてきた。つまり、バイクに乗れる人たちを。
YRAが目を向けているのは、「バイクに乗りたいけれど乗れない人たち」だ。そこには確かに需要が埋まっているという見方もできる。だがYRAはもっとシンプルに、もっと優しく、1歩を踏み出すためにそっと背中を押す。
今回のYRAは東京・八王子周辺を舞台に行われた。晩春の柔らかい日差しを浴びながらのツーリングは、たくさんのドキドキに満ちている。信号待ちのたび、カーブが近付くたび、参加者の皆さんの緊張が伝わってくる。
約10㎞を走った折り返し地点での休憩で皆さんが浮かべているのは、安堵の表情だ。インストラクターを自然に交えながら、参加者の方たち同士が談笑している。
共通の趣味というのはいいものだ。特にバイクのようにほどよい緊張感が伴う趣味には、張り詰めた時間とユルユルした時間のメリハリがある。それらすべてを引っくるめてのツーリングだから、楽しさが奥深い。
「さあ、もうひと頑張りしましょうか」という出発の掛け声とともに、また約10㎞の道のりを戻る。会場に帰り着き、待っていたのは鮮やかな達成感とものすごい充実感だった。皆さん、笑顔、笑顔である。解放感もあって、賑やかな笑い声が飛び交う。
この光景を見れば、誰もが「ああ、バイクっていい趣味だな」と思うだろう。そう思う人を増やしていくことが、YRAの影なる目的のひとつだ。
「この楽しさを忘れないうちに、ひとつご説明をさせてください」とプレゼンテーションが始まった。
ここぞとばかりにバイクのカタログが配られ……なかった。ヤマハバイクレンタルへの誘いだった。
所有せずに、バイクを楽しむ。シェアリングサービスは確かに人気だが、それをヤマハという製造者が率先して行うのが、いかにも今という時代を表している。
バイクに乗りたくても乗れない、というハードルをYRAが下げ、バイクを買いたくても所有できない、というハードルをバイクレンタルが下げる。ヤマハは、バイク仲間がひとりでも増えることを願う、ピュアな先輩なのだ。
YRA受講者とヤマハバイクレンタル利用者の年齢層はほぼ符合。習い事好きが多い女性層がYRAに目立つ一方で、いざレンタルとなるとまだハードルの高さを感じている様子がグラフに表れている。今後、「入口」のひとつであるYRAに女性・若者専用コースを設定することで、レンタルバイクへの道筋を作りたいと言う
ヤマハバイクレンタル
事業開始:2018年10月1日
加盟店数:39店(2019年4月20日現在)
展開エリア:青森県/宮城県/埼玉県/東京都/静岡県/愛知県/長野県/岐阜県/滋賀県/大阪府/京都府/岡山県/広島県/福岡県/大分県/佐賀県/長崎県/熊本県/鹿児島県
https://bike-rental.yamaha-motor.co.jp/
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