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飽くなきこだわりの秘密を探る!ヤマハのコト創り

ヤマハのコト創り:VOL.1ヤマハライディングアカデミー「ひとりでもバイク仲間を増やしたい」


言うまでもなくヤマハは、バイクを設計・製造しているメーカーである
だがバイクに限らず、モノを造りさえすれば売れるという時代はとうの昔に終わった
モノの正しい使い方やワクワクする遊び方、つまり「コト」を伝えることで
より長く、モノと付き合ってほしい──。ヤマハライディングアカデミーはその象徴だ

問い合わせ
YRA 事務局
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yra/otona/

ヤマハライディングアカデミーとは...

YRA大人のバイクレッスン
「免許を取ったものの公道デビューはまだ」「数10年ぶりにリターンしたい」。不安いっぱいのライダーたちを優しくサポートし、ツーリングへと誘うレッスンイベント

対象:普通二輪免許以上(AT、小型を除く)の保有者で二輪乗車に不安のある方
参加費:オンロード&オフロード1日レッスン(昼食付き)8000 円、オンロード半日レッスン(昼食付き)5000 円
※ 会場により内容が異なる
申込み方法:YRA 専用サイトから…https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yra/otona/

バイクライフをサポートするレッスン

パリパリと音を立てて目から剥がれ落ちる、ウロコ。いつしか囚われていた固定観念から解放されるのは、とても気持ちいい。「YRA(ヤマハライディングアカデミー)大人のバイクレッスン」の講習風景を眺めていると、とても爽快な気分になる。

……少しばかり大げさかもしれないが、これがまた、紛れもない事実なのだ。いわゆるライディングスクールのつもりで取材に伺ったのだが、実技講習開始前、受講生の皆さんによる簡単な挨拶と自己紹介の場面から、「……ん?」と感じるところがあった。

「20数年ぶりにバイクに乗りたくなって参加しました。すごく緊張しています」「私は25年ぶりです。この25年間は、まったくバイクに乗っていませんでした」「私は10年ぶり」「私も20年以上ぶり……」

リターンライダーを絵に描いたような人たちがほとんどなのだ。
極めつけは「免許は取ったものの、まだ公道を走ったことがないんです」とおっしゃる方。究極のペーパーライダーなのである。
「もっと上手くなりたい」「サーキットをもっと速く走りたい」。スクールというものは、今よりワンランク上を狙う上昇志向ライダーたちの集まりかと思っていた。

だが、YRAの様子はまったく異なる。皆さん、バイクに対して不安を感じており、怯えに近い感情さえ抱いているようなのだ。

いよいよ実技レッスンが始まると、さらに驚きの光景が待っていた。インストラクターがまたがったバイクを、参加者の皆さんが囲む。さっそくインストラクターがエンジンをかけ……ることはなく、アクセル、ブレーキ、クラッチといった操作系のていねいな説明から始まったのである。

さらに乗り降りの方法やスタンドの扱い方、ライディングフォームの確認などに約1時間かけ、ついにエンジンを始動したかと思えば半クラッチでの発進停止の練習……。とにかく徹底している。

教習所の講習と同じような内容だが、雰囲気はだいぶ違う。インストラクターのノリが良く、とにかく優しいのだ。「いいですねぇ!」「すいごく上手ですよ!」「そうそう、その調子!」というポジティブな掛け声が響く。不安いっぱいのところをたくさん褒めてもらえるのだから、そりゃあ前向きにもなろうというもの。プログラムが進み、慣熟走行、ブレーキ練習などをこなすうちに、会場のムードがどんどん温まっていくのが分かる。

「厳しい国内市場は続いていますが、まだやりきれていないこともあります」
いきなり険しい表情で現実的な話を始めたのは、ヤマハ安全普及推進本部の宮本義信さんだ。

ヤマハ発動機販売
ヤマハ安全普及推進本部副部長
宮本義信さん
国内二輪マーケティングや広報を経て現職に。母の実家がヤマハ音楽教室であり、音楽普及に尽力。自分がバイクの普及に携わることに不思議な縁を感じる

「80年代、バイクブームの頃に比べると、バイクに乗っている人自体が減っています。あの当時はバイク仲間がまわりにたくさんいて、あれこれ面倒見てくれたものですが……」と遠い目の宮本さん。
「今のライダーは、自分の身のまわりのバイク乗りからいろいろ教わる機会が減っているんです。『YRA大人のバイクレッスン』は、そこをフォローできれば……」

思い起こせば、バイクは難しさや分からないことだらけ。難易度が高い乗り物と言えるだろう。
だがかつては、ライディングのうえで困ったことがあればすぐ身近な仲間に相談できた。ショップとの関わりも密接だった。仲間やショップを軸とした濃密なコミュニティが、実はバイクライフをガッチリとサポートし、バイクの難易度を下げてくれていたのだ。

今は、ライダー人口が減少したことや、通販などの台頭でショップとのつながりが希薄になりつつある。後ろ盾ナシで難易度の高い乗り物・バイクと付き合うのは、かなりハードルが高い。「YRA大人のバイクレッスン」は、その溝を埋める役割を担っている。

YRAの特徴

できないことの指摘ではなく、できている所を伸ばすのが基本スタンス。うまくなる以前に、まずはバイクを楽しんでほしいという思いがインストラクターに浸透している

Point

人数も、もてなしも盤石のスタッフ体制
上からモノを教え込むのではなく、一緒に悩みを解決していくのがYRA。インストラクター数も多く、参加者ひとりひとりのスキルや性格に合わせながらていねいにレクチャーしてくれる

すべての会場で教習車を用意
講習で使うのはレンタル車両のトリッカー。「だから転んでもいい」というわけでは決してないが、安心感は高い。中には「トリッカーに乗ってみたいから」と参加する人もいるそうだ

レッスン開始時はクラッチ操作から
「できなくて当たり前」。操作方法から発進までにも時間をかけてレクチャーするなど、ハードルは徹底的に低い。「中・上級者には別のスクールがある」という割り切りが気持ちいい

ランチタイムは参加者同士でコミュニケーション
バイクが上達することと同等以上に、仲間を増やしてもらうことがYRAの狙い。参加者同士が楽しく会話できる雰囲気がある。アドレス交換などで実際に仲間になるケースも多いのだとか

2019年の主な特徴

①女性限定、若者限定レッスンの新設定
交流を図るにあたって、年齢や性別の壁はどうしても存在してしまう。そのハードルをも取り払うべく、女性や若者限定のレッスンを新たに設定。より参加しやすい雰囲気に

②ヤマハ・バイクレンタルとの連携
YRAを受講することでレンタル時に特典が受けられるなど、ヤマハバイクレンタルとの連携も。「所有せずにバイクを楽しみたい」という今の時代に合ったスタイルに対応

③オフロードレッスンの増設
公道を走ること以上に、取っかかりが掴みにくいオフロード。今までにないバイクの楽しみ方を発見でき、ライディングスキルアップにも役立つ新たな「レッスン課目」だ

④会場の見直し
YRAの場合、自分のバイクで来るのでなく、電車など公共交通機関を利用して参加する人も少なくない。会場選定にあたってはアクセスの良さも重視して見直しを図る