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東京都がEVバイクに8万円の購入補助を導入。今年登場予定のホンダ・PCX-EVとの関係は?

今日の朝、日経新聞が、東京都がCO2の排出を削減するために電気自動車&バイクの普及を目指す目的で、企業が業務で使用する電動バイクの購入費用を補助することを決めたと報じました。

現在、一般ユーザーが購入できる日本メーカーのEVバイクはスクータータイプのE-Vinoだけで、価格は23万6520円(税込)。これに国のクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)が2万6000円付くことで、実際の購入金額は21万520円となり、ガソリン車のVINOに対しわずか1万720円高とガソリン車とEVの価格差を縮めることでEVの普及を図っています。

今回の東京都の補助金は、この2万円の国の補助金にさらに8万円をプラスすることで、EVスクーターを同程度の性能のガソリン車(約11万3000円)と同じくらいの価格で購入できるようにすると報じていますが、いまどき11万3000円で購入できる二輪車などそもそもありません。

現在、一般ユーザーが購入できる日本製のEVスクターは、このヤマハ・E-Vinoのみ。価格は23万6520円(税込)だが、国のクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)が2万6000円付くことで、実際の購入金額は21万520円に

ホンダ・PCX-EVは一般ユーザー用ではなく、BtoBの業務用としての販売が検討されているという

東京都の真意はいったいなんだろうと考えてみると、ひとつのことが思い浮かびました。

ホンダは昨年の東京モーターショーに市販予定モデルとして出品したPCX-ELECTRIC(以下PCX-EV)を2018年中に販売開始すると発表していましたが、6月も終わろうとしている現在も、具体的なリリース時期や販売方法についてのアナウンスはありません。そこで、先日、ホンダの幹部と話をした際に、PCX-EVの発売時期について質問したところ、秋までには発売したい意向であることと、販売形態は一般ユーザー向けではなく業務用としての販売を検討している(以前、ホンダが販売していた電動スクーターのEV-neoも業務用でした)という話を聞くことができました。

つまり、東京都が7月にも申請の受け付けを始め、主に運送業や小売業の利用を想定し(個人は想定外)、今後5年間で新車400台への補助が目標という購入補助金は、これから登場する予定のPCX-EVがひとつの前提のような気がするのです。

ホンダが独自開発した高出力モーターと、着脱可能なHonda Mobile Power Packを搭載した電動スクーターがPCX-ELECTRIC

シート下には着脱可能なバッテリーを2個搭載する。定格出力は0.98kwで、ガソリン車の125㏄相当

まずはBtoBの業務用途でEVスクーターの本格普及を図りたい。だからこその「8万円の助成金」?

小池知事は、今年の東京モーターサイクルショーのステージに登壇し、排出ガスゼロの「ゼロエミバイク」の普及を促進すると言いましたが、実際にEVスクーターを普及させるのはバッテリーの価格の問題や、充電インフラの問題などが山積しています。

しかも、一般ユーザーは自分が使いたいようにEVスクーターを使用しますから、バッテリー切れなどのトラブルも発生しやすく、充電インフラが整っていない状態での拙速な普及活動は、EV自体の信頼性にも関わる重大な問題になりかねません。

その点、業務用途、たとえば新聞配達や郵便配達などあらかじめ決まったルート、距離を想定した使い方なら、トラブルを防ぎながら一定台数のEVスクーターを普及させることができそうです。

さらにいえば、このPCX-EVはガソリン車の125㏄クラス相当ですから、50㏄クラスのE-Vinoよりも当然、価格は高くなるはず。そうすると、2万円の国からの補助では焼け石に水のようなもので、東京都からの8万円が必要になってくるわけです。

とまあ、一部、ボクの憶測もありますが、今回の東京都の発表の陰には、PCX-EVの存在がチラチラするのです。

今年の東京モーターサイクルショーで、ホンダ、ヤマハ、スズキ、BMWのEVスクーターが並ぶステージに登壇した小池知事は「ゼロエミ・バイクの普及に期待します」と語った

Nom エイ出版社バイク誌プロデューサー/ジャンケン魔人

BikeJIN、RIDERS CLUB、DUCATI Magazine、BMW BOXER Journal(現BMW Motorrad Journal)などエイ出版社発行のバイク誌の編集長を歴任。現在は、趣味誌を中心にエイ出版社発行の媒体を統括